ゲーミングヘッドホンの落とし穴
近年、「ゲーミング」と冠がついた音響機器が市民権を得つつありますが、しかしながら、
「ゲーミングヘッドホンなのに音が全然聞きとれない」「ゲーミングヘッドホンを買ったら音が悪くなった」なんて不満もちらほら聞きます。
↑ゲーミングヘッドセットなのに前が見えない例
この原因は「ゲーミング」の名の元に
・「よりゲームの細かな音を詳細に聞き分ける」目的
・「よりゲームの音や音楽や臨場感を楽しむ」目的
の2つの目的を持った製品が混在しているために起こります。
前者は、
音楽的な聴き心地は二の次で、サウンドプレイにおける音の解像度・分離性や前後・左右・上下の低位感を重視した製品です。
「銃撃戦の中でも他の足音が聞こえる!」「今の足音と銃撃音の種類から判断して敵の数は右から2人左から1人だ!」「地下でジャンプ音と金属音がしたから 敵はコンテナの上で待ち構えている!」
サウンドプレイを目的としているFPSプレイヤーにはこちらの能力が重要であり、FPSゲーム向けのゲーミングヘッドホンは、音楽的な聴き心地を犠牲にしてでもこれらの能力を最大限に発揮するように作られています。
対して後者は、
キャラクターボイスが耳元でリアルに囁いたり、爆発があろうものならリバーブの効いた大反響音!-といった臨場感を重視した製品です。
「すごい!本物みたいな臨場感!!!」「すごい!洞窟で聞いてるみたいな音楽!」が目的。
でも、これって普通の音楽向けヘッドホンそのままじゃね?という話で、お前「ゲーミング」言いたいだけやろ!的な製品です。
この状況は、
三流の自称ゲーミングデバイスメーカーが、禄にサウンドプレイへの向き不向きを検証もしないで「ゲーミングの冠でもつけとけば売れるんじゃね」くらいの気持ちで、メーカーからOEMライセンスを取得した製品を名前とデザインを変えて販売しているのが原因。
これらが分け隔てなく「ゲーミング」と冠して売られているのだから、
ロシアンルーレットよりも悪劣な確率でハズれを引いてしまう現状が生まれているのです。
ということで、
ゲーミングの冠のついたヘッドホンを買う時は、なるべく信用のある使用者のレビュー等を参考にして、
後悔の無い製品を選びをしましょうという話でした。
個人的な使用感では、
・「SENNHEISER」:音響大国ドイツが誇るヘッドホンとマイクに特化した老舗音響機器メーカー
・「Logicool」:米シリコンバレーが誇る技術集団。世界最大のPCデバイスメーカー
あたりが出しているゲーミング系の製品は、安めの価格帯でも性能が安定していてお薦めです。
RxxxrやSxxxlなどの新興メーカーにも良い製品もありますが、技術的にはまだまだこれからですね。