AKG K550 MKII
うちにある中でも比較的高価なヘッドホンをAVAでレビューしてみましょう。
普段は完全に音楽のリスニング専用機として使用しているこのヘッドホンは「AKG K550MKII」。
ドイツの大手音響メーカーAKG(アーカーゲー)製の密閉型のヘッドホンです。3万円近くしますが、AKGのラインナップの中では中堅辺りの製品。Mk.IIの文字通り、人気のあった前モデル「K550」をベースに、その長所をしっかり正常進化させた高品質な製品で、リスニング用として間違いなく高い性能を発揮する製品です。
特徴としては、音に粒感のある解像度の良さと、密閉型の割に抜けの良い中高音、臨場感を生む広めの音場といったあたり。
さすがにこの価格帯の製品は纏め方に卒がありません。リスニング用として購入してこのヘッドホンに文句を言うひとは一部マニア層以外に居ないというくらい隙が無い製品です。
その特性からAVA等のFPSでもそれなりに通用しそうなスペックに感じ、レビューする気になりました。
という事で、
いつものFPS用ヘッドンホホ評価項目を元にレビュー
- 「解像度が高い」:同時に鳴った複数種類の音の聞き分け
- 「音場が狭め」:広いと臨場感があるが反響で正確な定位が得られない。
- 「低音控えめ」:爆発音等の低音が強調されない
- 「高音強調」:足音、ジャンプ音、設置音等 必要な音がクリア
解像度(聞き分け)
これは、はっきり言ってわるくない。モニターヘッドホン程ではないものの、帯域の癖も少なくそれぞれの音に硬さを感じる音像で音の聞き分け能力は高い。1~2万円クラスのゲーミングヘッドホンとくらべても遜色なく、実用レベルにある。
音場(定位)
これは、さすがにリスニング用なだけあってサウンドプレイをするにしては広い。広い分、左右判別はできるものの、不要な反響のせいで「前後定位」「距離定位」が曖昧になる。この辺りは一般的なゲーミングヘッドホンより数段下がる印象か。慣れるつもりで長く使うならば許容範囲とも言えなくはない。
低音控えめ(爆発音)
低音に極端な強調はなく、硬くタイトに鳴る印象。その分爆発音などの低音域のキレも良く、足音をかき消すような不快音にならなず良い性能と言える。
高音強調(必要音)
こちらは強調というか高音が本当に綺麗に鳴ります、またその密閉式とは思えない抜けの良さにも高級感を感じます。
解像度の良さと相まって、銃撃、足音、ジャンプ音などの鳴りもキレが良い印象でした。
総合FPS評価
点数的には68点。
音像は素晴らしくFPSにも向いた特性をいくつか見せてくれてた。
音の質が高いのでイコライザをいじくり回してもその音像を維持できそう。
ただひとつ欠点は、定位が掴みづらい点。これはリスニング用として音場を広くしてある為にある程度しょうがない領域。しかし、「定位」はFPS用のヘッドホンとしては最も大事な部分だと考えているため厳し目に評価しました。このもどかしさは、以前AVA用で使用して定位で苦労していた「SONY MDR-CD900ST」と同じ匂い。
リスニング用としては高級ヘッドホンにも匹敵する性能をもっているので、3万円出してこれを買える財力のある人なら、これは映画鑑賞やFPS以外のゲーム用にして、FPSゲーム用にもう1つ専用のヘッドホンを購入しよう!(ひどいシメだ)
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