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柿の魔物とライブ・ア・ライブ

この土日、
1994年にスーパファミコンでスクエアより発売された名作RPG「ライブ・ア・ライブ」の24時間タイムアタックなニコニコ生放送があり。ついつい最後まで見てしまった。(夜は寝たけど)

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何でそんな昔のゲームを…と言うと、
もちろん学生当時に「ライブ・ア・ライブ」をやり込んでいたという事もあるが、
これに挑戦するのが、毎年参加させていただいている青森ロックフェス「夏の魔物」の公式グループメンバーだという事と、去年同メンバーによる「ロマンシングサガ3」のタイムアタック放送も熱かった記憶があったため、長時間視聴してしまったのである。

ということでまず、
アツかった前回のロマサガ3の27時間クリアを振り返る。

青森ロックフェスの公式ユニットのひとつ「ブラックDPG」の
メジャーデビュー曲への参加をかけて、新メンバー(仮)3人(マリナ・ムン・アヤチ)が、27時間でロマンシング・サガ3のクリアに挑戦するという企画が2015年の夏頃にあった。

このグループのメジャーデビュー曲がロマサガの作曲担当者「伊藤賢治」氏ということで、この企画が立ち上がったのだとか。

そんなこんなで、
時間制限でレベル上げも技修得も満足に出来ない中、ギリギリの戦力で迎えたラスボス戦。

全滅→リセットを何度も繰り返し、27時間徹夜で憔悴しきったメンバーの瞳がどんどん曇っていく中、とうとう「時間的に次が最後の挑戦です」と非情のアナウンス。

しかし、この最後の挑戦で奇跡を見せる。

相変わらず劣勢ながらも、これを喰らったら全滅という状況で奇跡の回避をするなど神がかり的なプレイを連発。
ラスボスも最終形態に移行し、ついに終盤に到達。

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しかし、やはり戦力不足な現状は覆らず、

・死亡数名
・残りHPわずか
・回復しなければ次の敵ターンになれば全滅確定
・回復したとしても敵の攻撃パターンによっては全滅

という、絶体絶命な状況に追い込まれてしまう。

ここでリスナーのアドバイスは
・「回復して、次の敵の攻撃が緩い事を祈る」
・「一か八か最大の技で総攻撃して、倒しきる事にかける」
の意見に二分。

そして運命のニコ生アンケート発動。

結果は、4:6という僅差で「総攻撃」を示していた。

回復推し派の「終わった」「メジャーデビューは消えたな」などの悲観コメントが流れ
これを失敗したら3人のメジャーデビュー延期という絶望的で極限状況な精神状態の中、

メンバーは「6割のリスナーを信じる」と、総攻撃を決断。

選択される攻撃指示、

最後の攻撃を見守るメンバーとリスナー。

技エフェクトが敵を切り裂く。

無機質なダメージ表示。

一瞬の間・・・

ダメか・・・

そう思われた瞬間、

・・・閃光とともに崩れていくラスボス!

一瞬状況がわからないメンバーも

「キターーーーーーーーーーー」
「おおおおおおおおおおおおお」
「鳥肌たったああああああああ」

などの溢れるリスナーコメントで、この奇跡を成し遂げた事に気づく。

まさに「ロマンシング」な展開に、メンバーをはじめ、司会役の人まで大号泣。

感動的な展開で幕を閉じた。

————-

というのが前回企画の話。

そして今回。

「ライブ・ア・ライブ」を24時間でクリア出来なければ、
撮影済みで完成したセカンドシングル曲のミュージックビデオが公開されずに削除されるという、
前回に引き続き鬼畜企画。

そして企画を実行するのは前回と同じマリナ、ムン、アヤチの3人。
今は三銃士と呼ばれているらしい。

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今回もセカンドシングルの作曲者が「ライブ・ア・ライブ」や「ストII」「キングダムハーツ」などの音楽を手掛けていることで有名な下村陽子さんという事にちなんで「ライブ・ア・ライブ」が選択されたとのこと。

実際、誰もが認める神ゲーながら、やり込み要素満載で面倒くささに定評のある「ロマサガ3」(前回)に比べて、今回の RPGとしての難易度が比較的優しい「ライブ・ア・ライブ」という選択に、24時間もあればまぁ余裕だろうという雰囲気でスタートした。

私自身も
「チェキ会」での指名回数が未だ「0」だというマリナ氏をイジって「柿の魔物:柿ナ」なる画像を送りつけたりして、余裕モードで観戦していた。

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余裕との目測通り、
始まってから9時間を過ぎた頃(午前0時)には「そうだろ 松ッ!!」でお馴染みの「近未来編」、12時間を過ぎた頃(午前3時)には、映画のような名作シナリオでファンの多い「SF編」をクリアし、全7章のうち5つの章を終えてしまう。

シナリオの優秀さに浸りつつも
「これ、時間が余ってグダグダになるんじゃねーの」的な「時間調整必要じゃねーの」的な空気が漂う。

しかし、一部のスタッフと、ライブ・ア・ライブのプレイ経験者な一部のリスナーは気づいていた。
7章を終えてからが長いのだと。

一度、大内ライダーによる雑談コーナーを挟んだあたりで、
メンバーにも7章が終わりじゃない雰囲気が伝えられはじめる。

これを察して、チャンやライダーに邪魔をされた時間を取り戻すべく、
コントロ-ラーを握るアヤチ氏は足早にゲームを進め、夜が明ける頃には正規のシナリオ7章を全て終える。

そして、否応なく始まる衝撃の隠しシナリオ「中世編」。

「あの世で俺にわび続けろぉ!オルステッドーーーーー!!!」
450f2783e4fd5b99d4bb9f71513f3bd2の名言と共に「主人公の闇堕ちエンド」という、
エヴァンゲリオンもまだ世に出ていない94年当時には衝撃的すぎたこのシナリオを終える頃には昼の12時(21時間経過)をまわっていた。
この時点で、リミットまで3時間。

そして真の最終章がはじまる。

ライブ・ア・ライブ開発者の時田さんより
対ラスボス戦用のベストメンバーを教えていただくと同時に、
ベストメンバー全員を仲間にしているとタイムリミットに間に合わない事実も伝えられる。

迫り来る時間に追われ、
ラスボス戦に必須と言われる、攻撃力の「サンダウン」、回復力の「キューブ」のどちらかを諦めなければならない状況で、
メンバーは比較的時間をかけずに仲間にできる「キューブ」を選択し、去っていく「サンダウン」の後を追う事を諦めることになる。

さらに、ラスボス推奨レベル16と言われる中、タイムリミットにも押され、全員のレベルが9~12という大幅に不利な状態でラスボスに挑戦しなければならない超ハードモードを強いられてしまう。

ライブ・ア・ライブ経験者なら知っている。
このラスボスはあまりの強さに、クリアを諦める人が居るほど強い。

いったい幾度のリセットが必要か、
その先に本当にクリアがあるのかも分からないという絶望的な状況。

そんな中始まったラスボス戦。

誰もが思ったであろう苦戦予想を裏切って、
絶妙な戦略アドバイスをもらいつつ第一形態を難なく撃破。

しかし「いけるかも・・・」との小さな希望も
ここからの地獄の最終形態で打ち砕かれる。

ダメージ+石化、眠り、能力ダウン、レベルダウンという極悪な範囲攻撃が毎ターン毎ターン続き、
回復防戦一方で1撃もダメージを与えられないまま十数ターンが過ぎてしまう。
ここでレベル不足が響いてくる。

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「やはり2度目の奇跡は起きないのか・・・」

重苦しい空気がスタジオを包む中、

最終編の主人公として選んだ、
「あやち丸」という、コントローラーを持つ彼女と同じ名のついたキャラによる1回の「奇跡の回避」から逆転が始まる。

この回避によって、「通打」という攻撃を初めて敵に当てる隙ができたのだ。

ダメージにしておよそ50。
数千の体力を持つであろうラスボスには痛くも痒くも無かったはずの攻撃である。

しかしこの技には、「敵の能力ダウン」という特殊効果があった。

次のターン。
必ず1撃で倒されていた仲間が、通打の能力ダウンの効果で僅かな体力を残して即死を回避。

そして、その隙を見逃さずに入る2発めの通打。

70ダメージ。

徐々にではあるが、
「通打」による敵の能力ダウン効果は、防御側だけではなく与えるダメージの増加にも及んでいた。
ついに攻略の糸口となる、絶望的状況打破への光明が差し込んだのである。

「1ターンたりとも無駄できない」
「1ターンたりとも無駄にさせない」

気づくと
24時間、疲れきってギスギスしていたメンバーをはじめ、
リスナー、開発者、作曲者、スタッフのみんなが団結していた。

基本的に防戦一方なままな状況は変わらないもの、
1撃つずつ着実に通打によるダメージを重ねる。

けっして攻撃力のある派手な技ではない。
本来であれば、今回 時間の都合で仲間にするのを諦めなければならなかった絶対的な主力「サンダウン」の攻撃力を補うために使われる補助技が通打である。

それを1時間を超える戦闘の中で1撃ずつ大事に打ち込み、ついにその時が訪れた。

最後の「通打」が敵を貫く。

七色に光を放ち、崩れていくラスボス「オルステッド」。

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ニコ生画面には祝福のコメントが溢れ、
メンバーやゲストの瞳からは涙が溢れていた。

そして、一番泣いてはいけない司会進行役のディスク百合おん氏が、
大号泣で進行できずにいた。

 

「届かないように見える高い目標も、歩みは遅くとも1歩ずつ確実に前に進む事で道が開かれる」

まずは目標オリコン30位と、謙虚で地道な活動をしている彼女らと、
今回のラストバトルがリンクした気がした。

 

 

今回も「ロマンシング」だった。
この一言に尽きる。

おそらく他の誰がプレイしてこの感動的なラストにはならなかった。
彼女らは何か「持っている」のかもしれないと思った。

▼そして公開されたMVがこちら。

これは、せっかくの試練クリアから公開をもぎ取ったのに、
ネズミ団体の利権的にすぐ公開禁止になるのでわ・・・( ゚д゚ )

Categories:   GAMEs, Music

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